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音楽&映像配信、Web会議に。「コンデンサーマイク」はひとつ持っておくと便利な“万能ツール”

マイクは新たな時代の“三種の神器”の一つ

ZOOMなどのツールを活用したビデオ会議がすっかり一般化しました。

僕は編集者・ライターという仕事柄インタビューを行う機会が多いのですが、2020年5月末に緊急事態宣言が解除されてからも、撮影を伴わないインタビューに関してはZOOM等のビデオチャットツールで行うという傾向があり、今後もリモート取材や会議は増えていく予感がしています。

そうした流れを踏まえると、緊急事態宣言下でその需要が爆増した「外部ディスプレイ」「マイク」「Webカメラ」はその価値をより高めていく気がしています。

そこで、この記事ではマイクについて、その特徴や選び方を解説しようと思いますが、先に結論を述べると「手軽なコンデンサーマイク」を一個持っておくことがおすすめです。

ちなみに外部ディスプレイについてはギズモード・ジャパンで次のような記事を書いていますので、ぜひご覧ください。

マイクには大きく2種類ある

ひとことで「マイク」と言っても、そこにはいくつかの種類があります。

基本として抑えておきたいのは以下の2つ。

  • ダイナミックマイク
  • コンデンサーマイク

それぞれマイクの構造、音質、利用シーンが異なるため、これを間違えると、思ったような音質で録音や配信ができない恐れがあります。

次の項目では「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」の特徴について簡単に紹介します。

“普通のマイク”こと「ダイナミックマイク」

「ダイナミックマイク」という名前から派手なイメージを持たれるかもしれませんが、なんてことのない“普通のマイク”です。

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このSHUREの「SM58」と呼ばれるモデルがダイナミックマイクの代表格で、プロのミュージシャンも愛用しています。

ちょっとやそっとでは壊れない頑丈なマイク

ダイナミックマイクはカラオケでもおなじみですし、音楽ライブや、大ホールでの講演なども大体このマイクが使われていますが、その最大の特徴は「頑丈」ということ。

ライブハウスのような高温多湿な場所で、時に放り投げられたりすることもありますが、そうそう壊れません。

音質はイマイチ

そんな頑丈さがある反面、音質はあまりよくありません。

「プロのミュージシャンも使ってるんでしょ?」と思うかもしれませんが、それはあくまでライブでの話。レコーディングにおいては、次に紹介する「コンデンサーマイク」を使う場合がほとんどです。

”高音質マイク”といえば「コンデンサーマイク」

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こちらがコンデンサーマイクの代表格であるノイマンの「U87」と呼ばれるモデル。

マイクと聞いてこれを思い浮かべることはなくとも、このルックスを見て「ああ、こういうのもあるよね」と感じる方が多いのではないでしょうか。

声や楽器のニュアンスを捉える、繊細で高音質なマイク

音楽のレコーディング風景や、ラジオの収録現場など、多くのスタジオで利用されているのがこの「コンデンサーマイク」。つまり、それだけ高音質ということなんです。

音楽の“ライブ盤”と、普通のスタジオレコーディングされた作品を聴き比べると、ヴォーカルに大きな違いを感じられると思いますが、ちょっと乱暴にいえば、その差こそがダイナミックマイクとコンデンサーマイクの違いなのです。

※正確にはライブハウスで使えるようなコンデンサーマイクも存在します

湿気や衝撃に弱く、壊れやすい。そして高価

なぜ高音質なのにライブハウスやカラオケであまり使われないのかというと、その最大の理由は「壊れやすくて高いから」です。

コンデンサーマイクはその構造上、湿気や衝撃に弱いという弱点があります。

またダイナミックマイクの代表格SHURE「SM58」が1万4千円程度で買えるのに対し、コンデンサーマイクの代表格ノイマン「U87」は約30万円。

こんなに高いマイクを、壊れやすい環境で使うわけにはいかないですからね。

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おすすめは「扱いやすいコンデンサーマイク」

以上、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの特徴をざっくりと紹介しましたが、音楽制作、映像配信、Web会議にと、広くおすすめしたいのは「扱いやすいコンデンサーマイク」の導入です。

最近は技術の進歩に伴い、ダイナミックマイク感覚、あるいはパソコンの周辺機器感覚で扱えるコンデンサーマイクが増えているので、ぜひこれを活用したいところ。

音楽制作やWeb会議の音質向上はもちろんですが、YouTubeなどの映像制作や生配信において重要となる聞き取りやすい音声の収録も「扱いやすいコンデンサーマイク」なら簡単に実現できますよ。

USBコンデンサマイク

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コンデンサーマイクを利用するには、基本的に「ファンタム電源」と呼ばれる電源回路を搭載した業務用のXLR端子を接続する必要があり、MacやPCに音声を入力するにはさらにオーディオインターフェースという機器を通さなければなりません。

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そんな手間を省けるのが、USBケーブルでMacやPCと直接接続できるタイプのコンデンサーマイクです。

ビデオ会議、Podcastや音楽制作において利用したい場合、最も手軽に高音質録音するための選択肢となるはずです。

頑丈なコンデンサーマイク「Aston Origin / Spirit」

オーディオインターフェースを持っている方にお勧めしたいのがAston Microphonesの「Origin」か「Spirit」。

このマイクの特徴は「とにかく手軽に扱えるコンデンサーマイク」ということ。

耐久性が高いのはもちろん、通常のコンデンサーマイクを設置する際に必要なショックマウントや、息が当たるのを軽減するポップガードがいらない設計となっているため、ダイナミックマイク感覚で扱えます。

僕が愛用しているのは単一指向性の「Origin」。

ローカットスイッチは、Web会議など音声を未加工で利用する場合に重宝します。

ちなみに上位機種の「Spirit」は指向性を3つから切り替えられるモデルとなっています。ICレコーダー感覚で環境音含め録音したい場合などは、そちらの方がおすすめです。

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マイクの質がアウトプットに直結する時代

以上、おすすめのマイクについて紹介しました。

一見すると音楽用マイクでWeb会議をするというのも贅沢なようですが、音声の聞き取りやすさはコミュニケーションの質に直結します。

今は「音質いいですね」程度で済む話だとは思いますが、取材や商談の場面においては情報量の違いに直結し、いずれは信頼性にも通じて来る可能性すら秘めている、ケチれない要素だと思います。

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照沼健太

編集者・ライター・写真家・音楽評論家。2014年より2016年末までユニバーサル ミュージックジャパンのオウンドメディア『AMP』編集長を務め、並行してライフスタイルメディア『ROOMIE』に編集部員として参画。現在は音楽・カルチャー・広告等の分野にてコンテンツ制作やプロデュースを行っています。

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