リニューアルしたローソンPBのパッケージが賛否両論
近頃、ローソンのPB製品のパッケージを巡って議論が起こっています。
佐藤オオキさん率いるデザイン会社「nendo」が手掛けているとのことで、佐藤さん個人への攻撃のような言説も見られるのは残念極まりないと思います。
しかしその一方で、店頭で間違って隣の商品を手に取ってしまう不注意な消費者である僕は、このパッケージが持つ視認性の悪さに、不安や拒否感を覚えるのも事実です。
ただし「これが無印良品なら、別に気にならないかも」と考える自分も同時に存在しています。
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無印良品の洗剤に見る”納得感”
そんな中、無印良品の「食器用洗剤」を買ってきました。
無彩色のボトルにモノトーンのパッケージは、カラフルな商品の多い食器用洗剤としては極めて異質。ローソンPBを超えるミニマルなデザインです。
中身の洗剤自体も無香料、無着色。
実際に使ってお皿を洗ってみると、最初は“あの匂い”がしないのがとても不思議な気分になります。しかし、そのうち「洗剤にフルーツの匂いがついている方が不自然」と気がつきます。
食器を洗って汚れを落とす、そんな洗剤の機能性に対しては、匂いは関係ないですからね、
詰め替え用のパッケージも、ボトル同様にシンプルです。
例のごとく不注意な消費者である僕としては、じっとラベルを読まないと、この中身がなんなのかよくわかりません。
一緒に買った「バス用洗剤」「トイレ用洗剤」はさらに紛らわしいです。
よく見ると色分けされていますが、置き場所をきっちり分けていないと間違ってしまいそう。
しかし、これら無印良品の洗剤には、そんな不安を上回る“納得感”があります。
その理由は、無印良品で洗剤を買う時点で、いやそれ以前に無印良品で買い物をする時点で、”無印良品らしさ”を求めているから。
それに比べてコンビニは、ブランドというよりも社会インフラです。
圧倒的に多様なテイストを持った人たちが集まる場所ですから、世界観よりも視認性を求める声が多数寄せられるのも無理はありません。
方向性はこのままにマイナーチェンジして欲しい
このように、ローソンのPBパッケージは成功しているかというと、決してそうとは言い切れない部分が多々あると感じます。
しかし、大手コンビニが「過剰な広告的パッケージを廃する」方向性で思い切った決断をしたことはすばらしいと思います。
社会インフラとしての側面を持つからこそ、コンビニにはデザインで社会を啓蒙できる可能性があるはずですから。
無印良品のレトルト食品パッケージは、調理写真というクラシカルな要素を前面に出しながらも、統一したタイポグラフィーでシンプルにまとめた、攻め切ってはいない”ギリギリのライン”だと思います。
これよりも一歩、あるいは半歩だけ進んだデザインを、nendoやローソンに期待したいです。
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