オーディオインターフェースは“音の真ん中”
ミュージシャンやエンジニアが意図した通りのサウンドで音楽を聴く。それは音楽ファンにとってひとつの理想と言えます。
「音の出口から」とは、音響機器についてよく言われる言葉。その意味は、音が鳴る出口であるスピーカーから順に機器を買い換えていった方が、効果が顕著に感じられて満足度が高いというものです。
そうした考えからすれば、Mac /PCとスピーカーを繋ぐオーディオインターフェースは“音の真ん中”に当たる部分。しかし、ここを変えると明確に音質が改善されます。
Apogeeから乗り換え、RMEの品質に驚愕
「RME Babyface Pro」は、プロスタジオにも導入される機材メーカーであるRMEが、プロミュージシャンやハイアマチュア、オーディオファン向けに作った(はず)オーディオインターフェース。入出力を抑えたコンパクトなボディーに最上位機種と同等のパーツを詰め込み、それらと遜色ない音質を実現していると言われます。
ちなみに、あの宇多田ヒカルさんも自宅で利用していることで知られています。
僕はRMEと並んで評判の高いApogeeの「Duet」と「Duet 2」をずっと使ってきましたが、そこからRMEの「UCX」に乗り換えた時に大きく驚かされました。精緻なサウンドだと思っていた「Duet」シリーズと比べても、RMEはさらに一段澄んだ音に感じられたからです。もちろん「Duet」シリーズの元気なサウンドの方が好きという方もいるでしょうが、音源に詰まったサウンドを正確に再現するにはRMEの方が適していると思います(その分デザインは無骨ですが…)。
そして、この「Babyface Pro」ですが、「UCX」と比べても音質は一段上に感じました。今ではその違いにも慣れてしまったのですが、フラットな印象はそのままにより芯の詰まった密度の高い音になったと記憶しています。
制作用途には入出力数が不足気味
コンパクトなボディーに、ブレイクアウトケーブルなしで、アナログ入力を4チャンネル、アナログ出力を2チャンネル+ヘッドフォン備えているのは、「Babyface Pro」の特筆すべきポイントだと思います。
しかし、それが限界でもあります。
リスニング用途だけならば何ら問題ありませんが、音楽制作や複数の音響機器を使い分けるにはミキサーを使う必要が出てくると思います。
実際、僕はコンデンサマイク1本とターンテーブルを1台繋いで入力はほぼ終了。本当はギターをラインでもう1本繋ぎっぱなしにしておきたいのですが、都度ターンテーブルと差し替えています。これが地味に面倒くさい…。
現在は後継機「Babyface Pro FS」が出ています
そしてこの記事を書いていて初めて気付いたのですが、2020年2月に後継機「Babyface Pro FS」が発売されていたようです。
外観はほとんど変わらず、音質が多少アップしている模様。
RME製品はデジタルオーディオ機器としては異例とも言えるほど製品寿命が長く、サポート体制もしっかりしているため、安心して購入できるのも魅力の一つですよ。