
僕はできるだけ音楽をスピーカーで聴きたいタイプです。
それは、物理的に前方から音が鳴ること、そして自分とスピーカーの間の空気が振動することが、多くの音楽にとってとても重要だと感じるから(もちろんヘッドフォンで聴く良さもあります)。
そして、音楽好きであり、音楽評論を仕事としており、たまに楽器演奏や制作も行う身としては、スピーカーは優先度の高い買い物となっています。そこで6年ほど前に購入したのが、この「RL906」です。
高解像度&フラット。でも艶あるサウンド

ドイツのメーカーであるmusikelectronic geithainによるパワードモニタースピーカーで、同社製品は坂本龍一氏を筆頭に多くのミュージシャンやエンジニアに使用されています。
そのラインナップの中でも小型のニアフィールドモニターが、この「RL906」。
どことなく“ドイツ製らしさ”を感じる無骨ながらも愛嬌あるルックスの印象通り、そのサウンドは高解像度&フラットでありながら、どこかふくよか。(純粋なモニタースピーカーとしては余計な部分ではありますが)フラットながらも艶やかな音楽体験が得られます。特に生演奏の楽器は、演奏者のフィーリングがよく伝わってくると感じます。
スピーカーは満足度の高い買い物

「RL906」はmusikelectronic geithain製品の中では安価なモデルですが、それでもペアで40万円以上はする一般的には非常に高価なスピーカーです。
実際、僕も10回払いで購入しました。しかし、まったく後悔はないどころか、心の底から「買って良かった」と思っています。なぜなら一度買ってしまえば、大好きな音楽がどれも「RL906」レベルの音質で聴くことができるから。そしてそれは音楽だけではなく、映画やドラマ、アニメなどの映像にも適用されます。購入から6年間、ほぼ毎日このスピーカーで音楽や映像を楽しめていますし、制作や楽器演奏時も高精度でモニタリングできているのですから、初期投資は十分にリクープできていると思っています。
この辺りは、先日の「RME Babyface Pro」についての記事で紹介した「音が鳴る出口であるスピーカーから順に機器を買い換えていった方が、効果が顕著に感じられて満足度が高い」というオーディオの考え方と近いと思います。
スペースと予算が許せばRL904がおすすめ
ライゾマティクス真鍋大渡氏のアトリエや代々木のミュージックバー「Spincoaster Music Bar」で上位モデルの「RL904」を聴かせてもらったことがありますが、基本的なサウンド傾向は同じ。
しかし、流石にワンランク上の音がします。スペースと予算に余裕があるなら「RL904」の方がいいかもしれません。
性能を引き出すなら、専用スタンドは必須
それとスピーカー側面から本体を固定する専用スタンドは、製品ポテンシャルを発揮させるためには必要不可欠です。
僕は卓上スタンドを使っていますが、フロアスタンドも用意されています。中古の場合、スタンドとセットでお得に販売されていることもあるので、気になる方はぜひ探してみてください。
本製品は高価なので、誰にでもお勧めするものではありません。しかし、スピーカーに少しこだわってみることは、住環境が許す限り強くお勧めしたいと思っています。